医事・世事をフリートーク

日本を救おう! はじめに現状認識から

2005.11.07

以前に「小児医療を救おう!」の稿で、小児医療の現状改革について私案を述べました(コーヒーブレイク2・3参照)。そこで小児医療を救うのに生じる財源の問題について、いずれ改めてお話するとお約束をしましたので、今回は、視点を財源問題に向けてみました。

まず、日本がおかれている財政状況をおさらいしてみます。

国の借金は、毎年増え続け、現在は800兆(国民1人当たり600万)に迫っています。毎年の収入が45兆で、支出が80兆です。

その他、地方の借金が200兆、隠れ借金と言われる政府保証債務の残高が60兆あります。借金は全体で1000兆を超えてしまいました。

こんな天文学的な数字を並べてみても、さっぱり実感がわきませんので、とりあえず、国家予算を身近な数字におきかえてみます。

年収450万の家庭の支出が800万です。毎年350万ずつ借金が増え続けて、これまででたまった借金は、なんと8000万です。

家計にあてはめてみると、誰もが、このままでいいはずがない、いつまでもこの状態を続けることは無理だ、と思うでしょう。

一世帯当たりの平均所得も7年連続で減り続け、2003年は580万で、ピークの1994年より80万のダウン。タクシーの運転手さんの年収はここ10年で3割も減っています。

こんな状態で、赤字のツケを増税だけに持っていくと、国民はますます苦しむことになります。

バブル崩壊後、税収を増やす努力をせい一杯やってきましたが、借金が増えていくだけでした。そして、構造改革の名のもとに、無駄をはぶいて、支出を減らそうとしましたが、なかなか効果が出ず、昨今は国民の負担増ばかりが目立っています。組織や仕組みを変えても、支出は減りませんでした。

今年上半期、人口が約3万人減り始め、今後は、人口が減り、生産も消費も落ちこむことが予想されます。

これではお先真っ暗のようですが、国家百年の大計を立てて、それをしっかりと実行していけば、必ず、明るい未来がやってきます。

働かないでぜいたくを求めたり、お金を使った方が豊かになると思い込んだり、国は借金だらけなのにまやかしの減税に喜んだり、余り必要のないものをおねだりしたり、こうしたおかしな考えを私たちは改めなければなりません。

国民一人ひとりが、節約をして、一所懸命に働けば、国は立ち直ります。国も国民も自分のサイズにあった暮らしをすることが大事です。

「日本を救う」具体的な方法については、次号で提案したいと思います。

(A)

※数字はおよその数字で、単位は円です。