医事・世事をフリートーク

続 日本を救おう! 支出は減らせる

2005.12.20

家計の場合は、収入の範囲内で暮らそうとするのが当たり前です。返すあての無い借金をしてまで、ぜいたくをしようとは思いません。

米ソの冷戦が終結し、世界は軍事戦争から経済戦争の時代に突入しました。日本だけが貿易黒字を増やし続けることは許されなくなりました。

海外で売りにくくなった生産品を国内で売ろうとした内需拡大策が、そもそものまちがいであったと私は思っています。

企業は、売り上げが減っても利益が出るように努力すべきだし、国民は、自分の所得に合った生活を心がけるべきだと思います。

今までうまくいかなかったのに、とにかく収入を増やして、何とかしようという考えに固執するのを改めるべきだと考えます。収入を増やすのが無理なら、収入分しか使わないようにすれば良いのです。収入分しか使ってはいけないのです。

支出を減らさないと日本は救えません。

そんなことができるのでしょうか。すぐにはできませんが、時間をかければできます。

現在、国家公務員100万人、地方公務員350万人、公務員に準ずる者500万人、合計1000万人近い人たちが、「税金を払っていない組織」から「給与をもらって生活」しています。これだけ大きくなった公の部分を、貿易黒字という打ち出のこづちを失った今の国力では、支えることができなくなっています。

支出を減らすために、まずしなければならないことは、公務員や準公務員の数を減らすことです。ただし、公務員をクビにするのは良くありません。公務員やそのご家族の不幸の上に成り立つ改革であってはいけません。

それでも為せば成るです。

前号の「たばこの無い国」では、たばこを無くする方法を、100年がかりで考えてみましたが、今回は、支出を減らす方法を、公務員が就職してから退職するまでの40年がかりで考えてみました。

まず、公務員の採用を半分にします。

現在の収支バランス、出生率のことを考えると、これだけで十分とは言えませんが、40年後には、少なくとも人件費が半分になっています。人を減らさずに支出を減らすというのは、うまくいきませんでしたが、人を減らすことができれば、支出全体を半分にすることも十分可能です。

役割を終えつつある特殊法人や独立行政法人は、採用をゼロにすれば、40年経つと、自然に廃止できます。その他の法人も地方公共団体も、この考え方を基本に採用を減らしていきます。

公務員や準公務員を減らしていくという基本軸ができたら、それに附随して、いろいろな支出を減らしていきます。例えば、ほとんど読まれない文書をつくることをやめる、民間と競合する施設は一切つくらない、地方の支局・出張所の統廃合を進める、公務員の仕事でも民間人が代われる部分は民間人が手伝う、といったことを並行してすすめます。

これで40年後には、累積の借金は別として、単年は黒字にできます。さらに、もう一つ考えておかなければならないことがあります。出生率が1.3では、人口がどんどん減ってしまうということです。したがって、支出を半分に削れても、十分かどうかという問題が残ります。

だからこそ、単年の黒字を達成するまでは、後もどりせずに、公務員の採用を半分以上、減らし続けるという強い信念が必要となります。

40年という年月は長いと感じるかもしれませんが、バブル崩壊後の15年間、即効性を求めていろいろ手を尽くしてきたのに、借金は増え続けるばかりでした。これからはじっくりと時間をかけ、腰を落ち着けて、日本再生の道を切り拓くべきと思います。

継続は力なり。

私たちの親や祖父母や曽祖父母が残してくれたこの美しい国を、私たちの子供や孫やひ孫たちに受けついでもらうために、私たち大人は、あきらめることなく、しっかりとした責任を果たそうではありませんか。

(A)