医事・世事をフリートーク
続 小児医療を救おう!
2005.06.01どうすれば小児医療の窮状を救えるのか。
まず、第一に小児科の診療点数を上げることです。上げ幅としては、2割程度が適切と考えます。その根拠は、医局を離れて就職先を探す場合、小児科医は他科と比べて、およそ2割年俸が低いということです。これは、毎年の改定ごとに、10年がかりくらいで上げていけば良いと思います。
次に、現在の健康保険の自己負担は3割となっていますが、患者がより受診し易いように、子供の場合、一部の自治体がやっているように、特例を設けるべきだと思います。就学前の自己負担は1割、義務教育の間は2割を目安に改定してはいかがでしょうか。
診療収入が増えることによって、病院側は小児科診療体制の再構築をはかれるようになり、小児科医の給与面での待遇改善にもつながると思います。
もう一つの大きな問題として、小児科の医師不足という問題があります。これについては、初期研修のカリキュラムの小児科の部分をより充実させて、ある程度のレベルまでは、全科の医師が小児医療をフォローできるようにしてはどうでしょうか。
小児科医の勤務体制については、時間外や休日に勤務にしても過労にならないように、平日の休みを増やし、シフト勤務を組む工夫も必要と考えます。
医師だけでなく、コメディカルや子育て経験のある人たちを始め、社会全体が育児支援という形で小児科医療の後方支援の役割を担う意識を持つことも大切です。
子供はこの世の宝です。安心して子育てをできる環境づくりのため、私たち大人が知恵をしぼり、精一杯の努力をしていこうではありませんか。今回の提案につきましては、当然、国庫支出が増えるというご批判があると思われますので、財源の問題については、いずれ稿を改めて述べたいと思います。
(A)