お医者さんの雑学

医療費抑制 反対 Ⅱ

2016.09.14

厚生労働省は13日、2015年度医療費(概算)の総額が、前年度比約1.5兆円増の41.5兆円になったと発表しました。

国民1人当たりの医療費は年齢区分別では75才以上の後期高齢者が94万8000円、75才未満の22万円の4.3倍に達したそうです。

医療費抑制反対と言うだけで無責任にならないように、私なりに考えた一つの方策として、本人の意思に反して延命する終末期の医療について工夫ができるのではと思っています。

年金を家族が当てにしていたりして、単純なことではありませんが、本人が延命を希望しない場合、お元気なうちにご家族と相談して、その意思をはっきりさせることによって医療費の抑制に貢献することが可能になります。

私自身は、家族の了解を得た上で、具体的な例をあげて一切の延命治療を放棄しますと文章にして保管しています。

こうしておけば、医療従事者も家族も1分1秒でも長く生かさなければならないという義務感から解放され、本人も希望しない医療を受けずに自然な最期をやすらかに迎えられると思います。

残念ながら、歳をとればとるほど、病気になる確率が増え医療費が増えるのは必然です。

この自然増を抑えることは無理です。

薬剤費の高騰を抑えたり、抑制のためのいろいろな努力をすることは良いことですが、無理に抑えようとすれば高齢者や、弱者切り捨てになってしまうので反対です。

先生のお考えは?(A)